Omegaの視界 ~ミヨ オワレル シマイ トワ(●nd)~ レビュー

Omegaの視界 ~ミヨ オワレル シマイ トワ(●nd)~ レビュー

というわけで実に3年ぶりの『Omegaの視界』レビュー。 『ひぐらしのなく頃に』のような同人のノベルゲームです。 販売形態としては『ひぐらし』形式でシリーズ4作品が全部収録されてます。なので初めて買う人は最終版だけでおk。 ちなみに原画の閂夜明さんは元プロのグラフィッカーでシナリオの天村血花さんと同一人物。 つまり両方の作業を一人でこなさないといけないので、その大変さは押して知るべし。

前回のプレイ日記では結構厳しい意見を書いてしまいましたが どう進化したのか……さてさて。とりあえず駄目出し。シリーズ全体に言えることですが、キャラクター多すぎ。 半分以下で十分成り立つと思うんですが。こうも多いと印象が散漫になるし。書き分けも難しくないですか?  複数ライターならまだしもねぇ。ちょっと無茶やった感があります。

シナリオは今回もザッピングしまくり&固有名詞多すぎで相変わらず分かりにくいです。 ただこれまで謎だった部分は一通り説明がされてるので、前回のようなもにょもにょ感は少ないです。 クリア後にもう一度最初から確認しながらプレイしたくなりました。

エンディングは……う~みゅ。まこくんの心情を考えると簡単には納得しかねますね。 個人的にはそこをなんとか! って強引に押し切って欲しかったです。 まぁそこらへんは賛否両論ありそうですね。あのあっさり風味が良い、とする人もいるでしょう。

グラフィックに関しては構図が単調なのに目をつぶれば今回もクオリティ高し。特に枚数&差分は非常に多く、 同人作品では頭ひとつ抜けてるのではないでしょうか。やっぱ本職だしねぇ。 ただラストバトルの仮面とかぶりものはどうかと。顔が見えた方が臨場感があったんじゃないかな?  デザイン的には面白いんですが。

総評。シナリオに難がありますが、全体的によくまとまっている作品。 基本的に同人作品てのは小粒な作品が多く、大規模な作品でもスタッフが抜けたりして途中で頓挫するケースが少なくありません。 そういった意味ではこの大作をきちんと完結させたことは、非常に評価できますね。 最初にプレイしたときはかなりの荒削りだなぁと思ったものですが、こうして最後までプレイしてみると それもまた魅力なのかもと考えを少々改めてしまいますね。それぐらいパワーのある作品でした。

結論。70点の佳作……かな。フィーリングがあえば80点を付けてもいいかも。 傑作とまではいかないけれど、買って損のない出来だと思います。 次回作に大いに期待ですね! 余計なお世話ですが、原作だけ担当してライターは別にした方がいいと思いますですよ。